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消費税のインボイス制度について | 新聞掲載記事ログ

消費税のインボイス制度について

2019年4月15日

消費税率の問題が景気動向とともに話題となっていますが、消費税の「インボイス制度」について、お聞きになられたことがある方も多いのではないでしょうか。

正式名称を「適格請求書等保存方式」といい、消費税の計算方式のベースとなる制度のことです。対して、現行制度は、帳簿方式と称されていますが、2023年10月よりこのインボイス制度の導入が予定されています。

納税義務者となる事業者が納める消費税額は、預かり消費税等(売上等)から支払い消費税等(仕入等)を控除した額というのが基本的な計算原理となっていますが、インボイス制度では、事業者が控除できる支払い消費税額等について、法定記載事項を満たした請求書(インボイス)に根拠を求めることになります。

この法定記載事項を満たした請求書について、財務省のHPでは以下のように解説されています。

  1. 課税事業者はインボイスの発行が義務付けられており、また、自ら発行したインボイスの副本の保存が義務付けられている。
  2. インボイスに適用税率・税額の記載が義務付けられている。
  3. インボイスを発行するためには、課税事業者は税務署で適格請求書発行事業者登録をする必要がある。
  4. 免税事業者はインボイスを発行できない。したがって、免税事業者からの仕入れについて仕入税額控除できない。

このようにインボイスには適用税率と税額の記載が義務付けられていることからも、消費税の複数税率化に伴う対応と見ることができます。

現行制度の帳簿方式では、一定の証憑書類の保存義務はあるものの、事業者の商業帳簿を計算の出発点とし、事業者の所得税や法人税計算の副次的に消費税計算を行うことが可能であり、実務上はこれが一般的となっています。諸外国では、インボイス制度が主流であるのに対し、わが国が、帳簿方式で進めてこられた要因の一つとして現行単一税率であることと、戦後青色申告制度を定着させ、そもそもの記帳水準が高いことの表われであるともいえるでしょう。

また、平成17年度より、事業者免税点が基準期間課税売上高3千万円以下から1千万円以下に引き下げられており、かつ、簡易課税制度という簡便計算が認められる事業者も年間課税売上高5千万円以下に制限されていることから、消費者から預かった消費税が事業者の収益(損失となる場合も含む)となっている現行制度上の欠点は、従来よりもかなり縮小されたものとなっています。

インボイス制度導入に伴い、課税庁及び事業者双方に相当の事務負担が生じることは容易に予想されます。また、適格請求書等発行事業者としての登録を受けないと、小規模免税事業者は、インボイスが発行できないことにより商取引上不利な立場におかれることや、事務の煩わしさから新規起業の妨げになることが懸念されます。従業員数が数名といった中小企業では、事業の傍らで事務経理を行っており、POSシステムには程遠いのが実情ではないでしょうか。

平成30年の税制改正では、2019年10月より消費税率10%への引き上げが決まっています。また、10%への引き上げ時に導入される複数税率への対応として、「区分記載請求書等保存方式」という、いわばインボイス制度への移行期間対応といえる法整備が行われました。

最終決断は経済情勢と財政問題双方を鑑みて政治が決めるでしょうが、まずは8%と10%の分類をしなければなりません。経営管理のIT化を含め、対応が急務となってきています。

【税理士 福井 健】