11月 02 2017

相続財産中に先代名義の未分割の遺産がある場合の取扱い

Q:この度、父が亡くなり、現在相続税申告のための準備中です。ところで父の田舎の実家は、いまだ亡くなった祖父名義のままで未分割の状態です。現在は父の兄(叔父)が住んでいますが、この土地建物について、事実上父の兄の所有財産であるとして今回の相続税申告から除外してもよいでしょうか。なお、父は、3人兄弟の末っ子で、祖父の死亡時には、祖母(父の母)と2人兄弟(一番上の兄は早世)でした。

 

A:相続税法第55条は、未分割の遺産について、「民法の規定による相続分の割合に従って当該財産を取得したものとしてその課税価格を計算するもの」と規定しています。しがって、先代(お爺様)の相続開始時点では、相続人はお婆様(父の母)と2人の兄弟(お父様とその兄)ということになり、お父様が法定相続分の4分の1を取得しているものとして申告する必要があります。

その後、先代(お爺様)の財産について遺産分割が行われ、今回の申告における課税価格の計算よりも多くなれば修正申告をすることになり、少なくなれば更正請求をすることができます。

未分割遺産の取扱いについては、申告期限までに遺産分割協議が整わず未分割のまま申告をした後で遺産分割を行うケースを解説書等でよく見かけますが、ご質問のように親の相続財産に先代の未分割遺産がある場合についても、これと同様に取り扱われることになります。

近時、不動産や株式等について未分割のまま放置されている財産が増えつつあるといわれており、ご質問のような問題も増えていくのではないかと思います。後々、世代が代わるにつれ相続人が枝分かれしてしまい、縁も薄くなるばかりか、書類収集も大変で手続が難しくなってしまいますので、早めの対策のためにも税理士に相談することをお勧めします。

税理士 小林正俊

 

11月 02 2017

「税を考える週間」

皆さんは、「税を考える週間」というものがあるのをご存じでしょうか。

毎年11月11日から17日までの一週間がこれに該当するのですが、当期間中は国民の皆様に国民生活と税の関わりの理解を深めていただき、納税意識の向上を図る目的で集中的にさまざまな広報広聴施策が実施されております。

この機会に、改めて税金が果たす役割について見直すとともに、税金(税務)に関する専門家である税理士の役割についてご紹介させていただきます。

 

税金の役割とは

私たちが豊かで健康的・文化的な生活を送るためには、道路や公園、水道などの整備や医療・福祉制度の充実、学校教育などの「公共サービス」が不可欠となりますが、これらの公共サービスを提供していくには膨大な資金が必要です。私たちが負担する税金は、これらの公共サービスを維持・運営していくための財源として、非常に重要な役割を果たしているのです。

また、税金には能力に応じて税を負担し合い、所得や資産の多い人に多くの税金を負担していただくことで国民の間の格差を縮めていく「富の再分配機能」や、景気が過熱ぎみのときには、税負担を増加させることで財政投融資を抑制し景気を引き締め、逆に景気が良くないときには減税などで消費や投資を促すことにより景気を刺激するなど「景気の調整機能」も有しているのです。

 

税理士の役割とは

税理士とは、法律によって国家から資格を与えられた税務に関する専門家です。税務に関する専門家として独立した公正な立場において、申告納税制度の理念に沿って納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることをその使命とし、その使命を果たすべく下記の業務を行い、様々な分野で活躍しております。

 

① 税務代理

確定申告、青色申告の承認申請、税務署の更正・決定等に不服がある場合の申立て、税務調査の立会い等について代理をします。

 

② 税務書類の作成

確定申告書、青色申告の承認申請書、その他税務署等に提出する書類を納税義務者に代わって作成します。

 

③ e-Taxの代理送信

e-Taxを利用して申告する場合、税理士が納税義務者の依頼を受けて代理送信します。

 

④ 税務相談

税金のことで困ったとき、わからないときなどに相談に応じます。

 

⑤ 会計業務

税理士業務に付随して財務書類の作成、会計帳簿の記帳代行、その他財務に関する事務を行います。

 

⑥ 補佐人制度

税務訴訟において納税義務者の正当な権利、利益の救済を援助するため補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに裁判所に出頭し、陳述(出廷陳述)をします。

 

⑦ 会計参与

会計参与として取締役と共同して計算関係書類を作成し、中小会社の計算書類の記載の正確さに対する信頼を高めます。

 

⑧ 社会貢献

主に確定申告期間における税務支援や租税教育への積極的な取り組み、裁判所の民事・家事の調停制度や成年後見制度への参画等を行うなど、税に関する専門的知識や経験を生かして社会貢献に努めています。

 

申告納税制度は、納税義務者が自ら申告書を作成して税額を計算し、納付するという民主的な制度でありますが、税務は毎年改正が行われるなど複雑・難解ですから正しい申告書を作成することが困難な場合があります。名古屋税理士会は、無料税務相談会などを積極的に開催していますので、こういうときには、税の専門家である税理士へ是非、ご相談ください。

 

税理士 中川 晋輔

 

10月 17 2017

サラリーマンと税について

問 就職も決まり来年四月からサラリーマンになりますが、これまでは税金と言えば、買い物の際支払う消費税しか馴染みがありません。四月からは毎月会社から給与が支給されますが、その際どんな税金が関係してきますか。

答 会社は、毎月の給与から所得税・住民税・東日本大震災の復興財源確保のための復興特別所得税を天引きし、国に納付します。

 

問 先輩から、年末になると会社へ書類を提出すると聞きましたが、何のためですか。

答 年末調整をするためです。年末調整とは、一年の最後の給与の時に、毎月の給与から天引きされた所得税及び復興特別所得税の合計額と、一年間の給与総額に対する所得税及び復興特別所得税の合計額との差額を精算するものです。その際、会社に提出する書類として、扶養控除等(異動)申告書、保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書等があります。

なお、保険会社等から送付されてくる証明書等は添付して会社へ提出しますので大切に保管してください。

 

問 精算するということは、サラリーマンには確定申告は関係ないということですか。

答 いいえ。確定申告しなければならない場合や確定申告すると所得税及び復興特別所得税が還付される場合があります。還付される場合の例として、マイホームを住宅ローンで取得した場合、多額の医療費を支払った場合等があります。

このように、サラリーマンも税金に関わる場合が多々ありますので、税に関心を持っていただくことが大切だと思います。

ご不明な点はお近くの税理士までお尋ねください。

(名古屋税理士会岐阜南支部・竹内一也)

10月 05 2017

空き家対策と税制

長期間人が住んでおらず放置されている空き家の増加が問題視されていますが、近年、このような空き家の発生を抑制する措置として、税制により適正な管理を推進する制度が導入されました。

まず、平成27年度の税制改正で講じられた固定資産税にかかる措置では、周辺の生活環境の保全を図るため、放置することが不適切な状態にある空き家(特定空家等)の所有者に対して市区町村長が必要な措置をとることを助言・指導したにもかかわらず、それらの助言・指導に応じず、必要な措置について勧告された場合には、その特定空家等にかかる敷地について固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外されることになりました。

次に、平成28年度の税制改正において、一定の空き家を売却処分した際の「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」が創設されました。この制度は、相続開始直前において被相続人(亡くなられた方)の居住の用に供されていた家屋を相続した相続人が、その「空き家」となった家屋等を譲渡した場合には、次の(1)~(3)の要件のもと、その譲渡益から3,000万円を控除することができるというものです。

 

(1) 適用対象となる家屋及び土地等

適用対象となる家屋は、昭和56年5月31日以前に建築された家屋(マンションなどの区分所有建築物を除く)であって、相続開始の直前において被相続人以外に居住していた人がいなかった家屋(以下「被相続人居住用家屋」という)であり、その被相続人居住用家屋の敷地の用に供されていた土地等についても適用対象となります。

 

(2) 適用対象となる譲渡

適用対象となる譲渡は、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に行う譲渡で、次に掲げるものです。ただし、相続の開始があった日から3年目の年の12月31日までの間にする譲渡に限られ、また譲渡の対価の額が1億円を超えるものを除くこととされています。

  1. 被相続人居住用家屋が、相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されたことがなく、かつ譲渡の時までに耐震リフォームを行うなどして、現行の耐震基準に適合する家屋であること。
  2. 被相続人居住用家屋を除却した後における、その敷地の用に供されていた土地等を譲渡する場合は、家屋については相続の時から取壊しの時まで、土地等については相続の時から譲渡の時までに、事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されたことがないこと。

 

(3) 添付書類その他

この特例は、確定申告書に、地方公共団体の長等が前記(1)および(2)の要件を満たすことの確認をした旨を証する書類その他の書類の添付がある場合に適用することとされています。

 

なお、従来からある「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」は、家屋及び土地等を譲渡した人自身がその家屋及び土地等を居住の用に供していたことが適用要件とされています。しかし、前述のとおり、今回の「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」では、居住の用に供していなかった相続人が、その相続後においても居住の用に供していないなどにより、空き家となったその家屋及び土地等を譲渡した場合にも適用対象とされる点に特徴があります。

【税理士 坂口美穂】

10月 05 2017

遺贈寄付と税金について教えてください。

Q 最近「遺贈寄付」という言葉を耳にします。この場合どのような税制があるのですか。

A 寄附する時点や寄附財産の種類によって関係する税制はいろいろあります。今回は国、地方公共団体、社会福祉法人、NPO法人等へ寄附したケースについて説明します。

 

Q 遺言で現金を寄附した場合はどうですか?

A 寄附を受けた側は相続税の課税対象にはなりません。ただし、遺贈者の親族、その他これらの者と特別の関係がある者の相続税の負担が不当に減少する場合、遺贈を受けた法人を個人とみなして相続税が課されます。例えば、寄付先の団体の経営陣が「身内」で固められているような場合、その可能性が高いと思います。

 

Q 相続人が現金で寄附した場合はどうなりますか?

A 原則、相続税の課税対象になります。ただし、寄附する先が社会福祉法人、認定NPO法人等税制優遇団体であり、相続税の申告期限(相続発生から10ヶ月以内)までに寄附を行えば、相続税の課税対象から外れます。先の質問にありました不当に減少する場合、適用されません。

 

Q 使わない不動産等をそのまま遺贈する場合はどうなりますか?

A 相続税の取り扱いは基本的には現金の時と同じ扱いです。大きく異なるのは所得税の規定です。遺贈した不動産に「含み益」がある場合、譲渡をしたとみなして、含み益分に課税されます。

 

Q 寄付して、税負担するのですか?もう少し詳しく説明してください。

A 値上がり益は寄附した人(被相続人、相続人どちらでも)に帰属するものであるから、資産が他人に渡った時に課税をするという考え方です。一方、資産を売却して、代金を寄附した場合、売却時点に課税されます。この場合と同じ課税にするという考え方です。ただし、寄付先が公益性の高い法人(社会福祉法人、公益財団法人等)であれば非課税です。

 

※遺贈による寄附を検討する場合には、事前に税理士へ相談することをお勧めします。

 

【税理士 鳥居 翼】

10月 05 2017

ビール美味いか、のどごしか

今年の夏少し前くらいに、ビールが値上がりするだの逆に値下がりするだのというニュースが流れたのをご存知でしょうか。値上げと値下げでは正反対ですが、実は両方のニュースが流れました。今回はこのことについて話していきたいと思います。

まずは、「値上げ」の話です。これは、平成28年6月に改正され平成29年6月1日から施行された酒税法及び酒類業組合法に基づくものです。

その内容ですが、酒税法の中で、酒類業組合法に規定されている「酒税保全のための勧告又は命令」及び「公正な取引の基準に関する命令」に違反した場合、酒類の販売業免許等を取り消すことができることとなったのです。

この「公正な取引の基準に関する命令」については国税庁告示のなかで、①正当な理由なく、酒類を総販売原価(売上原価+販管費)を下回る価格で継続して販売すること②自己又は他の酒類業者の酒類事業の相当程度の影響を及ぼすおそれのある取引をすること、と定められました。

要するに、税率等が上がったわけではなく、ビールに限らず、酒類を原価を割って販売するような行為が違法とされ、結果、値引きなどが制限され実質的に値上げになった、ということです。

もう一つの「値下げ」の話ですが、報道では、ビールは値下げだが、発泡酒は値上げ、とされていたと思います。

こちらは、平成29年4月に改正された酒税法に基づくもので、ビール・発泡酒及びいわゆる「新ジャンル」と呼ばれている酒類の税率を、平成32年10月1日から平成38年10月1日までかけて経過的に統一していくというものです。結果として、今よりも税率が下がるものは値下げになり、今よりも税率が上がるものは値上げになるということです。具体的には、ビール及び麦芽比率25%以上の発泡酒が値下げになり、それ以外の発泡酒が値上げとなります。

この改正の理由として、類似商品における税金の差は公平性にかけているから、また、企業の商品開発の意欲を向上させるため、などと言われているようです。

なお、同時に、ビール及び発泡酒の定義も変更され、今まで発泡酒とされていたもののなかで今後はビールとされるものが出てきたり、いわゆる「新ジャンル」と言われていたものは、そのうち発泡酒になったりとします。

さて、結局、ビールも発泡酒もほとんど同じような値段になってしまいますが、皆さんいかがでしょうか。好きな銘柄が安くなりそうで嬉しい方もいれば、逆に高くなりそうで残念という方もいるのでしょうね。

いずれにせよ、実施されるのは、まだもう少し先の話です。それまでの間に、前述したような企業の商品開発が進み、今までにないような美味しいビールや発泡酒ができるのかもしれません。私個人としては、それを楽しみにしていたいと思います。

【税理士 秦 隆文】

9月 12 2017

◆リフォームしたら

住宅をリフォームしたときは税制上の特例措置を受けることが出来ます。

ここでは、所得税についてみていきます。

 

Q 所得税の特例措置にはどのようなものがありますか?

A 自己資金でリフォームをする場合は、一定の要件を満たすことで、工事が完了し住み始めた年の所得税の税額控除を受けられます。控除額は工事の種類に応じて計算されます。

また、リフォームに際し借入をする場合も、要件を満たすことで所得税の税額控除を受けられます。控除額は借入の残高を基に計算されます。

リフォームローン減税には、所得税の税額控除期間が、工事が完了し住み始めた年から5年間適用されるものと10年間適用されるものがあります。

 

Q 特例措置の適用対象になるリフォームにはどのような種類がありますか?

A 今までは、「耐震改修」「バリアフリー改修」「多世帯同居改修」「断熱改修(省エネ改修)」の性質を含む増改築工事が対象でしたが、平成29年4月より、これらに加えて、耐震改修や省エネ改修と併せて行う一定の「特定耐久性向上改修工事」も適用対象になりました。

 

Q 特定耐久性向上改修工事とはどのような工事ですか?また、いつから適用されますか?

A ①小屋裏 ②外壁 ③浴室、脱衣室 ④土台、軸組等 ⑤床下 ⑥基礎若しくは ⑦地盤に関する劣化対策工事又は ⑧給排水管若しくは給湯管に関する維持管理若しくは更新を容易にするための工事です。適用時期は、平成29年4月1日から平成33年12月31日までとなります。

 

実際に特例措置の適用を受けるには詳細な要件を満たす必要があります。

詳しくはお近くの税理士又は最寄りの税務署へお尋ねください。

 

(名古屋税理士会岐阜北支部・大石岳洋)

9月 07 2017

税理士の使命と倫理

日本の労働人口は、約6385万人(平成27年)、そのうちの約5643万人が給与所得者です。つまり働く人の約90%がサラリーマンであることをご存じですか?

私ども税理士のクライアントは、そのほとんどが中小企業の会社や個人事業主の方々ですので、サラリーマンが税理士に接する機会はかなり少ないということになります。

今回は、税理士の仕事やその使命と倫理についてお話しさせていただきます。

まず、税理士制度は、昭和17年に現税理士法の前身である税務代理士法が制定されてから、平成29年で75周年を迎えることになります。戦前からある制度で、かなり歴史ある資格制度と言えます。国際的にみれば、日本、韓国、ドイツなど税理士制度を採用している国は数ヶ国しかありません。税理士制度は税理士法という法律に則って運用されています。その第1条には「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、 納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」と謳われています。

税理士は、税の専門家であること、納税者との信頼関係をもとに公正な立場であることが重要です。よって、税理士は決して脱税相談に応ずることはしません。税理士さんに頼めば税金を安くできるなんて思われている方も多いのではないでしょうか。我々税理士は、租税に関する法律に則って納税者の税額を計算するので、決してごまかすことはいたしません。また、納税者が租税に関して不正な行為を行っていることを知った場合には、納税者に対して是正をするよう助言しなければなりません。さらに納税者の信頼に応えるため、税理士は業務に関して知り得た秘密を守る義務があり、税理士の信用または品位を害するような行為も禁じられています。

税理士は、必ず事務所の所在地を管轄する税理士会に所属し、税理士法第18条により日本税理士会連合会に備える名簿に登載され、税理士証票が交付されます。税務代理をする場合において、税務官公署の職員と面談するときには、税理士証票を提示しなければならず、必ずこの証票を携行しています。平成26年の税理士法改正により証票を定期的に交換することとされ、交付日から10年を経過するごとに交換することとしています。

他人の求めに応じ税理士業務を行うことは、有償・無償を問わず、税理士または税理士法人以外の者がすることはできません。ところが、毎年、税理士でない“無資格者”によって多くの方々が被害を受けています。この税理士名簿に登録がないにもかかわらず、税務書類の作成等の税理士業務を行う者は、「ニセ税理士」として税理士法第52条違反となります。このような「ニセ税理士」に対し、業務の依頼を行ってしまった結果、その申告等に不測の損害が生じるおそれがあります。また最近、不特定多数の納税者に対し、税理士を名乗り、「高額の還付金がありますので、ご連絡ください」等のメールが送信されるという事例が多数報告されております。

日本税理士会連合会では、現在税理士名簿に登録のある税理士及び税理士法人を氏名、事務所所在地等で検索し、その情報を参照できる「税理士情報検索サイト」を公開していますので、不審に思われた方は、このサイトで検索してみれば、間違いなく税理士であるかどうかが確認できます。なお、インターネット上に存在する種々の税理士紹介サイトは日本税理士会連合会とは一切関係がありませんのでご留意ください。

平成14年4月より、従来、税理士会が定めていた税理士の業務に関する報酬規定を廃止しました。その後は、税理士又は税理士法人は自由な意思のもと自己責任と説明責任に基づいて報酬を算定し委嘱者に請求することとなりました。税理士に委嘱される場合には、委嘱の範囲と報酬額について契約書を締結されることをお勧めします。

平成29年6月末日現在、全国に76,358人の税理士登録者がいます。その内、名古屋税理士会に所属する税理士は4,537人です。税に関することは、税理士へご相談ください。

 

【税理士 大川雅彰】

9月 07 2017

テーマ「中小企業経営強化税制の創設について」

Q.平成29年度税制改正により中小企業経営強化税制が創設されましたが、どのような位置づけなのでしょうか?

A.中小企業等経営強化法により、これまでの中小企業投資促進税制(中小企業者等が、特定機械装置等の取得等をした場合に取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除ができる制度)の上乗せ措置を改組し、中小企業経営強化税制として新設されました。尚、適用期間は平成29年4月1日から平成31年3月31日までの2年間です。

 

Q.これまでの中小企業投資促進税制の上乗せ措置とは、何が違うのでしょうか?

A.対象設備が拡充され、器具備品及び建物附属設備が対象に追加されました。但し、器具備品は30万円以上、建物附属設備は60万円以上に限られます。尚、法人税(個人にあっては所得税)において、即時償却、又は、7%(資本金3,000万円以下の法人は10%)の税額控除が受けられる措置は変更ありません。また、指定事業として一定の事業者が対象となる点も同様です。

 

Q.この制度の適用を受けるために必要な手続きを教えてください。

A.生産性向上設備(A類型)と収益力強化設備(B類型)により要件が異なります。

生産性向上設備(A類型)は、①一定期間に販売されたモデル、②経営力向上の指数が旧モデルより年平均1%以上向上する設備となり、これは工業会等から証明書を取得することが必要となります。

また、収益力強化設備(B類型)は、年平均の投資利益率5%以上となることが見込まれる投資計画に必要不可欠な設備となり、投資計画は経済産業局からの確認書を取得するなど一定の要件を満たすことが必要となります。

 

Q.この他に中小企業等経営強化法に基づく税制措置はありますか?

A.固定資産税の特例として、同法の認定を受けた経営力向上計画により新規取得した一定の設備に対して、固定資産税を3年にわたって1/2に軽減する制度が設けられています。

税理士 早川功剛

9月 07 2017

配偶者控除等の改正について

平成29年度税制改正において、個人所得税改革の第一弾として、①配偶者特別控除が適用可能となる配偶者の所得上限の引き上げ、②配偶者控除の利用に所得制限を設ける、という配偶者控除及び配偶者特別控除に関する見直しが行われました。

 

1.控除対象配偶者の定義の改正

今回の改正により、従来の控除対象配偶者は「同一生計配偶者」と改められ、同一生計配偶者のうち、合計所得金額が1,000万円以下である居住者の配偶者について「控除対象配偶者」と規定されました。

老人控除対象配偶者についても、従来通り控除対象配偶者のうち、その年の12月31日現在の年齢が70歳以上で、合計所得金額1,000万円以下である居住者の配偶者と定められました。

 

2.控除額の見直し

(1)配偶者控除

配偶者控除とは、収入の少ない配偶者がいる納税者に課せられる所得税や住民税において一定金額を所得から控除することで税負担を軽減する制度のことです。現行では、配偶者の合計所得金額が38万円(給与のみの場合年収103万円)以下であれば38万円(老人配偶者控除48万円)が控除されています。

今回の改正では、適用を受けることができる者について合計所得金額が1,000万円(給与のみの場合年収1,220万円)以下とする所得制限が設けられました。また、合計所得金額が900万円以下の場合、38万円(老人配偶者控除48万円)、900万円超950万円以下の場合、26万円(老人配偶者控除32万円)、950万円超1,000万円以下の場合、13万円(老人配偶者控除16万円)と、居住者の合計所得金額に応じて控除額が3段階となりました。

(2)配偶者特別控除

配偶者特別控除とは、配偶者の合計所得金額が38万円を超えることで、配偶者控除を受けられないことによる手取額の逆転現象を税制上起こさないようにするために設けられた控除で、配偶者の所得が増加するにつれて減少する仕組みになっています。現行では、配偶者の合計所得金額が38万円超76万円(給与のみの場合年収141万円)未満の場合に受けられます。

今回の改正では、配偶者の合計所得金額が38万円超123万円(給与のみの場合年収201.6万円)以下に適用対象が拡充されました。なお、従来通り居住者の合計所得金額が1,000万円を超える場合には配偶者特別控除は受けられません。配偶者控除と同様に居住者の合計所得金額(①900万円以下、②900万円超950万円以下、③950万円超1,000万円以下)に応じ、かつ、配偶者の合計所得金額の区分(9区分)に応じて配偶者特別控除額がそれぞれ逓減されます。

 

3.源泉徴収事務や年末調整の見直し

配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しに伴い、源泉徴収事務に関し改正がありました。新たに「源泉控除対象配偶者(居住者(合計所得金額が900万円以下である者に限る)の配偶者でその居住者と生計を一にする者(青色事業専従者を除く)のうち、合計所得金額が85万円以下である者)」が規定され、配偶者控除等の適用にあたっては源泉控除対象配偶者に限ることとなりました。

つまり、配偶者控除等について、居住者の合計所得金額が900万円以下の場合には、月々の源泉徴収で控除されることになりますが、合計所得金額が900万円超1,000万円以下の場合には、年末調整又は確定申告において配偶者控除等の適用を受けることになります。

なお、上記の改正は平成30年分以後の所得税について適用されます。

 

 

税理士 林  豊文

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