「税理士のニセモノについて」

2013年10月4日

 年が明けますと所得税の確定申告の準備を始められる方もいらっしゃるかと思いますが、この時期には税理士のニセモノがよく現れます。「納める税金を少なくします」、「安い費用で確定申告を引き受けます」、「税務署に顔がききます!」などと、所得税の確定申告を初めて迎え不安な方はもとより、毎年確定申告をしている方に対しても、甘いことを言ってつけ込んでくるようです。
 税理士法では、税理士は他人の求めに応じて、租税に関して主に次の業務(以下、税理士業務といいます。)を行うことが許されています。(税理士法第二条第一項)

  1. 税務代理(税務申告を代理、代行すること)
  2. 税務書類の作成(税金の申告書、税務にかかわる申請書等を作成すること)
  3. 税務相談(税金の計算、税務処理についての相談に応ずること)

 税理士でない者がこのような業務を行うと、依頼者から報酬を受け取らなくても税理士法により罰せられます。(税理士法第五十九条 二年以下の懲役又は百万円以下の罰金)
それでは、具体的にどのような行為が税理士のニセモノにあたるのでしょうか。

  1. 税理士事務所や税理士法人に勤める職員が、代表者が関知しない個人、法人に対して代表者に隠れて税理士業務を行う。
  2. 以前、税理士事務所や税理士法人に勤めていた税理士資格のない者が、在職中につちかった知識や人脈を頼りに税理士業務を行う。
  3. 税理士事務所で代表者のみが税理士資格を有する事務所で、代表者が死亡し、その後、税理士資格を有する者が代表に就任しないまま税理士業務を行う。
  4. 税理士の名前を形式的に借りて、税理士資格のない者が税理士業務を行う。
  5. 社会保険労務士が給与所得の源泉徴収票や法定調書の作成などを行い、税務署や市町村役場へ提出する。
  6. 経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナー、不動産業者、建設業者などが税理士資格がないにもかかわらず税務相談等税理士業務を行う。
  7. これまで税金や経理の仕事にたずさわり、知識、経験のある人が税理士資格のないまま知人、友人、親類縁者の確定申告の世話をする。

などです。
 また、次の者も税理士業務はできません。

  1. 試験制度をはじめ税理士登録の基準を満たしていても実際に登録をしていない者
  2. 財務大臣による懲戒処分を受け、税理士の業務禁止処分及び一定期間の業務停止処分を受けている者

 税理士のニセモノは申告書を作成しても署名せず、税務調査の立会いもしません。なぜなら、税務調査に立ち会う権利がないことに加え、税理士法により懲役や罰金の処罰を受けるおそれがあるので、堂々と税務署職員の前に立つことができないからです。そして、税務調査の結果、税務上の大きな間違いがみつかり、青色申告の承認の取消しや思いもよらない金額の税金や加算税などが出るかもしれません。そんなことになっても、税理士のニセモノは責任を取りません。トラブルに巻き込まれ、余分な時間や労力を使い、大変な目に合わないためにも、税理士のニセモノには依頼しないで下さい。
税理士かどうか不審に思った方は、日本税理士会連合会のホームページにある税理士情報検索で探して頂くか、名古屋税理士会に電話でご確認下さい。また、税理士のニセモノの情報をお持ちの方は、ただちにお近くの税務署や名古屋税理士会にご連絡下さい。(名古屋税理士会 052-752-7711)

(税理士 吉野泰一)