教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税制度の創設

2013年9月4日

平成25年3月29日に国会で可決・成立された「所得税法等の一部を改正する法律案」によって、所得税の最高税率の引き上げ、住宅ローン減税の拡充、相続税の税率構造の見直し、小規模宅地等の特例の拡充、事業承継税制の見直し、子や孫等に対する教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設、法人税の中小法人の交際費課税の特例の拡充等々が決まりました。
増税案が目白押しの中、減税となる制度が創設されましたのでご紹介します。

制度の概要

高齢者層の保有する金融資産を若年世代へ移転を促し、教育資金の確保を図るため、本制度は創設されました。具体的には、平成25年4月1日から平成27年12月31日までに、両親や祖父母(贈与者)から、子・孫(受贈者)名義の金融機関の口座等に、教育資金を一括して拠出し、一人あたり1500万円まで非課税とされます。教育資金の使途は、支払った領収書等を金融機関が確認し、教育費と認められる場合は、払い出しをし、書類を保管し税務署へ報告します。子・孫が30歳に達する日に口座等は終了し、使い残しがあれば、その時点で贈与税が課されます。

教育資金とは

    1. 学校等に対して直接支払われる次のような資金
      入学金、授業料、入園料、保育料、施設費又は入学(園)試験の検定料等
      学用品費、修学旅行費、学校給食費など学校等における教育に伴って必要な費用等
    2. 学校等以外に対して直接支払われる次のような資金で社会通念上相当と認められるもの
      教育に関する役務の提供の対価や施設の使用料等(学習塾等)
      スポーツ又は文化芸術に関する活動その他教養の向上のための活動に係る指導の対価等

よくある誤解についての回答

扶養義務者1) 間で必要な都度支払われる教育費用については、そもそも贈与税は非課税です。
本制度を利用しても暦年の贈与の非課税枠(年間110万円)は、併用できます。
1500万円の非課税枠は、受贈者単位ですので、贈与者単位ではありません。
一括といっても、一度に1500万円振り込まなくても、期間内に少しずつでも大丈夫です。
万が一、受贈者(子・孫)が30歳になるまでに死亡しても贈与税は課されません。
金融機関が、税務署への届出等を行いますから確定申告は、原則不要です。

1)相続税法1の2-1配偶者及び民法第877条の規定による親族をいう。

(税理士 荒川章三)