事業承継(7) 普通の会社でも使う自己株式2

2010年7月26日

「みなし譲渡」になる危険

.アゴ博士。先月は、後継者の安泰のために株を買い取る場合や、逆に親戚から買い取って欲しいと言われた場合、当事者が安値で合意すると難解な問題になるとのことでしたが、どういうことでしょう?
.例えば、議決権の9割が社長で、1割が叔父さんで、叔父さんから株を買い取るとしよう。全株で10億円なら叔父さんの分は1億円じゃ。
.先月の話の通り、1億円では社長や後継者個人では借り入れしても返済できないので、会社で買い取ることになるということでした。
.さすれば、会社にとっては自己株式となるのじゃが、会社の買い取り価額は難問じゃ。実務上この定説は出とらん!万全を期すとすると、会社も「同族株主」として評価すると1億円が税務上の適正時価となるわけじゃ。
.でも、会社でも、そんな大金は借り入れしても大変ですね。
.そこで、叔父さんと交渉し、4千万円で話がついたとしよう。
.1億円の株ですから会社は6千万円得をしたので、受贈益ですね?
.いや、税制改正で自己株式の取得は資本等取引とされて受贈益はゼロじゃよ。ただし、ここからが難解じゃ。叔父さん(個人)から法人へ時価の2分の1未満の価額で譲渡したため、「みなし譲渡課税」とされ、時価1億円で譲渡したとされるのじゃ。
.えっ!そうすると叔父さんは4千万円しか貰っていないのに、1億円で譲渡したことにされちゃって税金が大変じゃないですか!
.そうじゃ、実は貰った4千万円を超える税金となるのじゃが、問題はそれだけでは済まん。これはまた来月じゃ。

(税理士 牧口晴一)