消費税の軽減税率について(先行諸外国を例に考える)

2014年11月12日

 早いもので消費税率8%への引き上げから数か月経過しました。安倍首相は来年10月の消費税率10%への引き上げをするか否かの判断を今年末に行うとのことです。引き上げの場合、導入が検討されているのが「軽減税率」です。軽減税率とは、特定品目の税率を標準税率より低くすることで、低所得者の負担を軽くすることを目的にしています。諸外国では広く導入されています。
各国の導入例で、少し首をかしげるような事例をいくつか紹介します。(税率は2014年1月1日現在のもの)

【フランス】

 標準税率20%、基本的に食料品は軽減税率5.5%を適用、贅沢品については標準税率が適用されるものもあります。

世界三大珍味

キャビアは輸入品かつ高級品のため標準税率、フォアグラ・トリュフは国内産業保護のため軽減税率が適用されます。

マーガリンとバター

マーガリンは企業で生産しているので標準税率、バターは国内畜産業保護のため軽減税率が適用されます。

チョコレート

 原則贅沢品で標準税率ですが、カカオ含有量50%未満の板チョコなどは生活必需品とされ軽減税率が適用されます。

【イギリス】

標準税率20%、食料品は原則として0%の軽減税率が適用されます。

テイクアウト商品

温かい商品は標準税率、冷たい商品は軽減税率。基準は販売時点で気温より高い温度に温められているか否かです。

お菓子

お菓子は原則贅沢品として標準税率ですが、ケーキ・ビスケットは日常的に食される大衆食として軽減税率が適用されます。

【ドイツ】

 標準税率は19%、食料品は7%の軽減税率です。

店内か?持ち帰りか?

ファストフードなど店内飲食は外食とされ標準税率、持ち帰り用は食料品扱いで軽減税率となります。

【カナダ】

 標準税率5%、食料品は基本的に0%の軽減税率が適用されます。

ドーナツの個数

5個以下が標準税率、6個以上が軽減税率です。販売個数が少ないものはその場ですぐに食べる=外食とみなして標準税率が適用されます。

 いくつかの国の例を見て、もしも同様な形で軽減税率が日本に導入されたら、消費者も事業者も混乱は避けられないだろうと感じます。事業者の事務負担も増大し、そのコストが商品に転嫁されることになれば結局は消費者にとっての不利益にもなりかねません。立法目的が低所得者保護であるならば、他の方策も検討されることを望みます。

(税理士 間下京子)