納税の猶予について

2014年11月12日

 国税の納付が困難な場合に、税務署長等が認めれば、納税の猶予を受けることができます。分割納付や延滞税の免除等の効果もあります。但し重要なのは納税者からの申請が必要ということです。下記に該当する場合は放置せず納税の猶予をご検討ください。

<要件>

1.被災者の納期限未到来の国税に係る納税の猶予(国税通則法46①)

 次のすべてを満たす場合

  1. 納税者の財産が震災・風水害・落雷・火災等の災害により相当な損失を受けたこと
  2. 1.の災害時において、納税義務が成立していて、納期限が未到来の国税であること
  3. 災害がやんだ日から2か月以内に納税者から猶予の申請がされたこと

 ※この規定は被災の時期がかなり限定されます。例えば所得税は翌年1月1日から納期限の3月15日までの間、法人税では決算日の翌日から納付期限までの間などです。

2.災害による一般的な納税の猶予(国税通則法46②)

 次のすべてを満たす場合で納付困難と認められる金額を限度として

  1. 次のいずれかの事実が生じていること
    • ①納税者の財産が震災・風水害・落雷・火災等の災害を受け、又は盗難にあったこと
    • ②納税者又は生計を一にする親族が病気、負傷したこと
    • ③事業を廃止・休止したこと
    • ④事業について著しい損失をうけたこと
    • ⑤上記に類する事実があったこと
  2. 上記⑴により国税を一時に納付することが困難とみとめられること
  3. 納税者から猶予の申請されたこと
  4. 担保の提供がされたこと(税額50万円以下又は特別な事情がある場合を除く)

 ※上記1に比べ、災害の範囲も広くその時期も、申請期間も限定されていません。

3.確定手続きが遅延した場合の納税の猶予(国税通則法46③)

 次のすべてを満たす場合で納付困難と認められる金額を限度として

  1. 法定申告期限から1年を経過した日以後に税額が確定した国税等
  2. 一時に納付することができない理由があると認められること
  3. 原則として納期限内に猶予の申請がされたこと
  4. 担保の提供がされたこと(税額50万円以下又は特別な事情がある場合を除く)

 ※例えば税務調査で修正申告書を提出した場合等で、前々年(前々期)以前の分などです。
<猶予期間>
 上記1の猶予については1年で延長なしです。
 上記2、3の猶予については原則1年ですが、認められれば、1年の延長があります。
※上記2の猶予は災害の時期も申請期限も限定されていないので、上記1の猶予を適用後、まだ納付困難で要件を満たせば、同一の災害を原因として申請可能です。認められれば最大3年間猶予されます。
<分割納付>
 上記2,3の納税の猶予については、適宜分割してその各金額ごとに猶予期間を定める場合があります。
<効果>

  1. 督促、滞納処分の制限
  2. 差押えの解除
     一定の要件を満たすときは納税者からの申請により、その差押えを解除
  3. 延滞税の免除
     猶予期間に対応する部分の延滞税の全部又は一部を免除

※納税の猶予については国税だけでなく、地方税法にも同様の規定があります。

(税理士 奥村景二)