ふるさと納税をした場合の税制優遇措置について

2015年12月7日

 ふるさと納税の制度は平成21年度に導入されました。徐々にその認知度が高まり、平成26年度は約13万人がふるさと納税を行ったそうです。自治体はふるさと納税の謝礼として魅力的で特色ある特産品を用意しており、制度普及の一因となっています。平成27年度税制改正により税制上のメリットが拡充されたことも更なる利用促進につながりそうです。
 平成27年度税制改正において、ふるさと納税の寄附について次の改正が行われました。
 ・控除限度額の引き上げ
 ・ワンストップ特例制度
 改正により所得税や個人住民税の控除対象となる金額が大きくなり、また、従来は必須であった確定申告が所定の要件を満たせば不要となります。年末の今、改正点を中心に制度のおさらいをします。
①控除上限額の引き上げ
ふるさと納税の寄附をした場合には、原則として確定申告を行うことにより所得税と個人住民税が控除されます。実際の控除額の計算は複雑なのですが、大まかには平成26年分の控除額は次の金額のうちいずれか少ない金額とされていました。
 A 寄附金の合計額-2,000円
 B 住民税所得割額の10%相当額(控除限度額)
 Bの控除限度額について、平成27年税制改正により10%相当額から20%相当額へ2倍に引き上げられています。改正前よりも多くの寄附金額について控除の対象とすることができるようになりました。例えば、扶養家族が配偶者のみの給与所得者が寄附をした場合には、全額控除の対象となる寄附金額の目安は下記のとおりとなります。

年収 改正前 改正後
300万円 12,000円 23,000円
500万円 30,000円 59,000円
700万円 55,000円 108,000円

なお、個人住民税の控除は、ふるさと納税をした翌年6月以降に支払う分から控除されることとなります。
②ふるさと納税のワンストップ特例制度
 ふるさと納税の寄附をした場合の税金の軽減は、改正前は確定申告が必須となっていました。しかし、確定申告が不要な給与所得者などを対象に、所定の要件を満たせば確定申告をすることなく税金の軽減を受けられるワンストップ特例制度が設けられました。このワンストップ特例は平成27年4月1日以後に行われる寄附について適用されます。
 ワンストップ特例の適用を受けるには、次の全ての要件を満たす必要があります。

    確定申告の不要な給与所得者などであること

  • 平成27年4月1日以後に行ったふるさと納税であること(平成27年1月1日から3月31日までのふるさと納税は対象外)
  • ふるさと納税先の自治体が5団体以内であること
  • ふるさと納税を行う際に、ふるさと納税先の自治体に特例の適用に関する申請書を提出していること

 1つでも要件を満たさない場合はワンストップ特例の適用を受けることはできず、控除を受けるには確定申告が必要となります。例えば、確定申告の不要な方が医療費控除を受けるなどの理由で確定申告を行う場合や、平成27年1月から3月までにしたふるさと納税について控除を受けたい場合には、ふるさと納税の寄附について従来どおり確定申告が必要となります。なお、ワンストップ特例が適用される場合は、確定申告の場合と異なり所得税からの控除は発生しません。所得税控除相当額を含めて翌年の個人住民税から控除されることとなります。
 ふるさと納税を本年中に行った、又は年末までに行う予定である場合には、確定申告の要否について再度確認してみてください。

(税理士 佐藤輝弥)