事業承継(13) 3分の2のパズル

2011年4月21日

誰が買うか?資金は?猶予枠が変化する

* .納税猶予を受けられるのは3分の2までというのは、後継者の既に持っている株数を引いて計算するというのは、複雑ですね。アゴ博士はどう考えられますか? 
* .そうなんじゃ。例えば、全株の3分の1づつを父と息子と叔父さん持っているとしよう。後継者の息子のためには、叔父さんの3分の1は、将来わずらわしいから買い取りたいという場合を考えてみよう。
* .そうするとアゴ博士。誰が買い取るかが問題になりますよね。
* .そうじゃ。普通には、後継者の息子が買い取る。すると、何と父に相続が起こった時には納税猶予は使えんのじゃ。
* .えっ?何故ですか?
* .息子は、叔父さんから取得した結果、合計3分の2じゃから納税猶予は全株の3分の2から後継者の保有株数を引くと0.すなわち納税猶予枠はなしじゃ。
* .ああ、そうか!でも逆に言えば、既に経営権が息子に移って事業承継は完了してますね?
* .そこじゃ!これを良いことと考えることも出来る。しかし、父の3分の1を相続する時に評価が高いと納税に窮するやもしれんのう。
* .逆に父が買い取ったら、父が3分の2になって、息子が3分の1のままなので、3分の2に達するまでは納税猶予が受けられますよね。
* .それでも父の残り3分の1は納税せねばならんから同じじゃ。それに、そもそも叔父さんから買い取る資金がどちらの場合も大変じゃ。
* .じゃあ会社が買う?
* .よく気が付いたのう。しかし、それは第6回から3回にわたって話した自己株取得という難問にぶち当たるのじゃ。

(税理士 牧口晴一)