外れ馬券は必要経費?

2019年4月10日

Q 昨年末に外れ馬券の購入費も経費として差し引けるという判決が出たようですがそのとおりでしょうか?

A 平成29年12月15日最高裁は「外れ馬券」の購入費を、雑所得の計算上「馬券の払戻金を得るため直接に要した費用」として必要経費に当たると判断しており、類似事件においても、最高裁は平成27年3月10日同様の判断を下しております。

ただし、29年の判決は成績分析に基づく豊富な情報を駆使し、配当比率に妙味のある馬を選定し、その馬を中心に馬券を購入していたものですし、27年の判決は勝馬予想ソフトに手を加え回収率に着目した購入をほぼ自動的に行っていたものです。

所得税法は、その所得の発生形態に応じ所得を10種類に分類しています。くじやギャンブルの当選金は、その偶発性や役務等の対価性の無さに着目し「一時所得」とされており、その収入から差し引けるのは「その収入を得るために支出した金額(収入の発生した原因に伴い直接要した金額に限る。)」と規定されています。したがって、通常の勝馬狙いの収支計算は一投票ごとを計算単位としますので、購入した馬券代が差し引けるのは払戻金のあったものに限られることになります。

これらの事件は、資金の回収率に着目した多額かつ反復的な馬券購入の事実があり、その点が「営利を目的とする継続的な行為」として「一時所得」ではなく、「雑所得」に区分され、外れ馬券の購入費用も必要経費と認められた特異なケースと言えます。

 

【税理士 杉浦勝美】