税金と租税教育

2019年4月10日

人間としての個人は社会の中で形成されます。社会生活を送る中で必要な素養を持つ個人、社会人は本人が意識するしないにかかわらず自然に社会の中で形成されていきます。そうでなければ社会の中で生活ができず、そして人として生活ができません。また、その社会もたくさんの個人によってつくられています。

民主主義の根幹をなすものが国民主権です。主権が国民にあり、選挙によって代表者を選び、その代表者が法律をつくり、国を運営します。そしてまたその運営を選挙によって数年に一度評価します。当然ですが、この国を運営するためには莫大な資金が必要になってきます。憲法で定められた三大原則「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」に沿って国民には様々な権利が保障され、義務が課せられています。これらの権利や義務を守ることが国の運営の大前提となります。この運営費を集めるために税金が存在します。

この税金の役割としては、まず一つ目に「所得の再分配」、生存権を守るため経済的不平等を是正する目的があります。社会保障制度や労働保障制度などにより平等な行政サービスが受けられるようにしています。また、経済の安定化を図る役割も担っています。財政支出を増やしたり、減らしたりすることで景気調整にも使われています。そして最後に政策の実現です。経済成長、社会福祉、環境保全、防衛、貿易、科学技術など様々な政策を実現する役割も担っています。

この税金の集め方については、わが国では租税法律主義をとっており、法律に基づかないと課税ができない仕組みになっています。この法律をつくるのは、国民が選挙で選んだ代表者なのです。どんなものに、どの様に税金をかけるかは、国民が自分で選んで自分で決めているということに気づいていただきたいと思います。2016年より選挙権の年齢も18歳まで引き下げられ、どの様に国を運営していくのか18歳から考えなくてはいけなくなりました。現在の税制はこれまでの選挙によって選ばれた代表者によってつくられた税制になっています。我々税理士が行っている「租税教育」の中では、今の税制はどうなのか、これからどうすればいいのか、このようなことを租税の歴史から振り返り、現在の税制について学び、現在の国の財政を考え、そして未来の日本をどのような国にしていくのかを考えていきたいと思っています。

我々税理士は税務に関する専門家として、独立公正な立場において、申告納税制度の理念に沿って、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命としています (税理士法第1条) 。

この使命を受けて、税理士は小学校から大学、社会人に至るまで、ともに租税を通して日本を考える「租税教育」という活動をしています。社会を意識することは自分の未来を考えることにつながります。社会とのつながりである租税について、他人事ではなく自分の事として意識できる教育の一助になればと考えます。

【税理士 山元 剛】