サラリーマンと年末調整

2010年7月14日

確定申告に代わる重要な手続き

【問い】
 私はサラリーマン1年生です。毎月受け取る給料の所得税は先払いだそうですが、これはどのような方法で精算されるのでしょうか。

【答え】
 所得税は、所得のある人が、毎年1月から12月までの所得金額とこれに対する税額を計算し、これを申告して納税する「申告納税制度」が建て前ですが、サラリーマンの給与などは、その支払者が支払う際に所得税を徴収して納税する「源泉徴収制度」がとられています。
 サラリーマンの毎月の給与やボーナスから源泉徴収される所得税額は、「給与所得の源泉徴収税額表」により求められますが、「毎月の給与から源泉徴収された所得税額の合計額」が近似値的計算であるため「1年間の給与総額に対する所得税額」とは一致しないのが普通です。そこで、給与の支払者が、その年最後の給与を支払うときに、源泉徴収した所得税の過不足を精算しますが、これを「年末調整」というのです。
 ただし、給与収入が二千万円を超える人や「扶養控除等申告書」を提出できない勤務先からの給与がある人は年末調整ができないので、確定申告することになります。
 大部分のサラリーマンは、年末調整によって1年間の所得税の納税が完了しますので「確定申告」の必要はありません。逆に見れば「年末調整」は「確定申告」に代わる重要な手続きであるということができます。

年末調整を受ける注意点

1. 「扶養控除等申告書」は正しいか=配偶者、扶養親族の中に、アルバイト、年金収入などで所得の限度を超える人がいないか(限度を超えると、所得税の追加徴収や扶養手当の返還が起こる)
2. 「扶養控除等申告書」の「異動申告」は済んでいるか=結婚、離婚、出生、死亡、就職、寡婦(夫)、障害者、勤労学生などによる控除対象配偶者や扶養親族の増減などを、勤務先に届け出てあるか(控除金額が増えれば所得税は過払いとなって還付され、逆に、減れば追加徴収される)
3. 生命保険料などを申告したか=自分が直接払った社会保険料、小規模企業共済等掛金、生命保険料、地震保険料などを申告書に記載して勤務先に提出してあるか(控除金額が増えれば所得税は還付される)

 なお、住宅ローンの「住宅借入金等特別控除」は、最初の年は確定申告し、2年目からは年末調整で控除を受けることができます。また「医療費控除」「寄付金控除」「雑損控除」は確定申告でなければ控除されません。

(税理士 古山 精)

岐阜新聞

Posted by meizei