会計参与の導入とその活用~会計参与制度の利用促進を如何に図るか~

2010年7月7日

 5回に亘り会社法で新設された会計参与制度の内容について述べてきましたが、このシリ-ズも今回で終わりとなります。最終回はその締めくくりとして、会計参与の導入の効果と活用の仕方についてご紹介します。

1.会計参与の心構え
 会計参与に就任する税理士・公認会計士等は先ず『会計参与の行動指針』に基づいて実際の職務を遂行することが必要です。将来、会計参与を導入予定の会社に対しては、そのための体制作りを指導し、導入のための環境の整備を会社と一緒になって行なうことにより、信頼関係を高めることができます。

2.会社経営者の役割
 会社の経営に携わる取締役は、常に会計参与と連携しながら、計算関係書類の作成に必要な資料を提供し、信頼性を高める努力をすることにより、会社への信頼性も飛躍的に拡大することになります。但し、会計参与を頻繁に交代させることは、会社経営に悪影響を与えることに繋がることを肝に銘じなければならない。会計参与を選任する際にはそのことも十分吟味することが大切です。

3.企業経営への影響
 会計参与と共同して作成した計算関係書類は信頼性が高いため、取引先や消費者等に対して積極的な情報開示が求められ、将来の株式公開を目指すことも考えられます。

4.金融機関の姿勢
 現在、『中小企業の会計指針に関するチェックリスト』を活用した融資が行なわれていますが、あくまでも外部からのチェックであるため一定の限界があります。会計参与は会社内部からチェックを行なうものでその信頼性は一段と高まることが予想されます。金融機関では、そのような会社に対して金利面などで優遇措置をとる可能性があり、また、代表者の財産を担保とする融資から、会社の収益性を重視する姿勢に変化する一因となる兆しも出てくるでしょう。

5.損害賠償責任
 経営不振により、会社が倒産に至るような場合、会計参与も取締役と同様にその責任が問われます。職務遂行について過失があればその程度により損害賠償責任を負うケ-スも出てきます。それだけ責任も重大だということです。

 会計参与に関していろいろ述べてきましたが、まずは会社経営者が会計参与制度を導入し、会社の財務内容の信頼性を高めることがこの制度の成否の鍵であるといえます。